市街化調整区域とは
市街化調整区域とは、一定の土地を市街化しないよう、法律で定められている区域を指します。市街化調整区域は環境保護を目的とした自然が多いエリアや、田畑などの農地が多いエリアである場合が多く、さまざまな条件をクリアしなければ家を建てることはできません。
建築許可がおりる例として、土地が市街化調整区域になる前から住宅が建っていた場合や、不動産開発業者によって開発が進んだ分譲地などがあります。しかし、市街化調整区域に家を建てるには専門的な知識が必要なため、不動産会社やハウスメーカーへの相談はマストです。
市街化区域とは
市街化区域とは、人々が生活しやすくするため、道路や下水道、公園などのインフラ設備を優先的に整備する区域を指します。街の中心部などが市街化区域に該当し、住宅や商業施設、工場などの建築が可能です。しかし、市街化区域には、法律で定められた用途地域に合う建物を建てなければいけません。
用途地域は土地の用途を13種類に分類したもので、戸建て住宅やマンション、ホテルや工場など、建物の大きさによって利用できる土地が異なります。一般的な戸建て住宅においては、工場専用地域でない限り、どの場所にも建築可能です。ただし、建築条件が課せられている用途地域もあるため、「郊外でも広い家を建てたい」「狭小住宅でも利便性を重視したい」など、土地選びの際は目的を明確にしておくと良いでしょう。
市街化調整区域のメリットとデメリット
市街化調整区域は、街の中心部から離れ、人の往来が少ない静かな場所である場合がほとんどです。森や川などの自然や、大きい公園があるなど、のびのびとした環境で子育てに向いています。街郊外であるため土地の価格が比較的安く、予算内で希望通りの家を建てられたり、広い庭を作れたりと、土地以外の費用にお金を使えることもメリットです。また、市街化調整区域の土地は、固定資産税の負担が減る傾向にあります。
一方で、市街化調整区域は電気・ガス・水道などの生活に欠かせないインフラが整っていないことや、駅までのアクセスが悪いなど、不便であることから土地の評価は低めです。将来自宅を売却したいとお考えの場合は、買い手が見つかりにくいといったデメリットがあります。ほかにも、住環境を整えるための工事費用や、交通手段の確保も考慮しなければいけません。
また、住宅ローンが通りにくい、建築許可を得るための手間と時間がかかるなど、市街化調整区域のデメリットは多めです。そのうえで、自然豊かな土地で静かに暮らすことを優先したい方は、選択肢の1つにしても良いでしょう。
市街化区域のメリットとデメリット
市街化区域のメリット
市街化区域は、電気・ガス・水道はもちろん、公共交通機関や主要道路など、日常生活に必要な設備やサービスが揃い、利便性が良い点がメリットです。現時点で整備されていない場合も、今後発展していくと期待できます。人が住むことを前提としているため、不動産価値も高く、売却の際は買い手がつきやすい、また高く売れやすいといったメリットもあります。
市街化区域のデメリット
デメリットは、固定資産税のほか都市計画税が発生することや、市街化調整区域に比べて土地の価格が高くなる点です。また、用途地域によっては建物の大きさが制限されるため、三階建て住宅を建てられないなど、建物の自由度が下がるケースもあります。利便性を重視して商業用の地域に住宅を建てる場合は、日当たりや騒音などのリスクも考慮しなければいけません。市街化区域で、なおかつ落ち着いた環境を求める方には、住居向けの地域がおすすめです。
浜松市の市街化調整区域と市街化区域
浜松市の7つの行政区ごとに、市街化調整区域と市街化区域をまとめました。市街化区域の周辺環境の特徴も交えながら解説します。
浜松市中区の市街化調整区域と市街化区域
公園や大学、行政機関が集まり、浜松市でも最大の人口を誇る浜松市中区は、ほぼ全域で市街化区域となっています。全体的に居住用の用途地域が広がりますが、JR浜松駅周辺は商業用の用途地域となっており、高層ビルが建ち並ぶため住宅を建てるには向いていません。市街化調整区域にあたるのは、花川運動公園付近の西丘町・花川町、航空自衛隊の浜松基地に隣接する和合町の農地、富塚町の青葉台団地と弥生ヶ丘団地を南下した農地、またJR浜松駅を南下した神田町周辺の農地などです。
>>浜松市中区の土地価格相場について、詳しい情報はこちら
浜松市東区の市街化調整区域と市街化区域
浜松市東区は、イオンモール浜松市野やコストコホールセール浜松倉庫店があるなど、商業施設が充実するエリアです。しかし辺りは工業地域となっており、家は建てられますが、将来周辺環境が変わる可能性もあります。東区は、浜松インターチェンジのある東名高速道路を中心とし、大まかに南北で区域が分かれています。北側は、大部分が市街化調整区域なのに対し、半田山周辺、大瀬町の鷺の宮団地周辺、笠井町は市街化区域です。対して、南側は市街化区域がほとんどですが、東名高速道路のふもとや、中里町、天竜川・安間川近くの安間町周辺が、市街化調整区域となっています。
>>浜松市東区の土地価格相場について、詳しい情報はこちら
浜松市西区の市街化調整区域と市街化区域
浜名湖に面する浜松市西区は、ほぼ全域で市街化調整区域になっています。市街化区域はJR東海道本線を中心に、弁天島駅周辺と、舞阪駅~高塚駅間の東海道沿いに広がります。佐鳴湖に隣接する大平台や、イオンモール浜松志都呂付近の志都呂町・雄踏町なども居住に向けた土地が多く、買い物や通勤に便利なエリアです。また西区には、浜松市動物園やはままつフラワーパークなどのレジャー施設もあり、近くの館寺山温泉周辺に一部市街化区域があります。さらに、東名高速道路付近の桜台も閑静な住宅地となっており、全体的にファミリー層におすすめのエリアです。
浜松市南区の市街化調整区域と市街化区域
浜松市南区は太平洋に面しており、南部の海岸沿いでは遠州灘海浜公園を中心に、遠州浜と、中田島町・白羽町の一部地域が住宅向けの市街化区域です。北部ではJR高塚駅周辺の増楽町・若林町と、JR東海道本線と国道1号の間にある三島町・本郷町・三和町辺りが、スーパーや飲食チェーン店などが点在する市街化区域となっています。南区の北部は交通面や生活面で充実しているといえますが、南部は北部に比べると利便性がやや劣ります。また、南部は津波などのリスクにも備える必要がある土地です。
>>浜松市西区・南区の土地価格相場について、詳しい情報はこちら
浜松市北区の市街化調整区域と市街化区域
浜松市北区は面積の約半分が森林に覆われ、農地が広がり、ほとんどのエリアが市街化調整区域です。市街化区域は主に、天竜浜名湖鉄道の線路に沿って点在し、三ヶ日駅、都筑駅、気賀駅~岡地駅、金指駅周辺が市街地として栄えています。沿線から離れた場所では、北部の井伊谷城のふもとにある神宮寺町と、南部の都田総合公園がある都田町に住宅地が広がります。北区は歴史を感じる落ち着いた街並みが特徴で、娯楽施設は少なめですが、静かに暮らしたい方にはおすすめです。
>>浜松市北区の土地価格相場について、詳しい情報はこちら
浜松市浜北区の市街化調整区域と市街化区域
遠州鉄道が縦断する形で走る浜松市浜北区は、市中心部へのアクセスが良く、街の開発が進むエリアです。主に浜北駅~遠州小林駅、遠州芝本駅周辺が市街化区域となっています。特に浜北駅周辺は住宅密集地となっており、近隣にはプレ葉ウォーク浜北といった大型のショッピングモールがありながら、美薗中央公園など自然環境も整備され、住環境は良好です。浜北区の西部にある、染地台・内野台も、鉄道沿いから少し外れますが、比較的新しい団地が広がる市街化区域です。
>>浜松市浜北区の土地価格相場について、詳しい情報はこちら
浜松市天竜区の市街化調整区域と市街化区域
全国で2番目に大きい市といわれる浜松市ですが、半分以上の面積を占めているのが天竜区です。天竜区のほとんどが森林に覆われており、市街化区域は遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道が合流する西鹿島駅周辺の二俣町のみとなっています。西鹿島駅の東側にある笹井街道沿いには商業地域と工業地域がありますが、そのほかの地域は住居向けの地域です。天竜川を越えた先にも住居向けの用途地域はありますが、区域区分の指定はされていません。
R+house浜松中央・藤枝では、土地探しからお手伝い致します。
浜松市には、住環境が整った市街化区域が多数存在します。通勤や通学などの利便性や、子育てに良い環境か、買い物がしやすいかなど、さまざまな面から住みたい土地を検討してみてください。R+house浜松中央・藤枝では、土地の探し方や、土地選びのポイントを学べる勉強会も開催しています。また、不動産価値や住宅税制も視野に入れた資金計画のご相談も承っております。注文住宅をお考えの際は、ぜひ一度お問い合わせください。
>>浜松市でのご希望エリアでの土地探しを成功させ、満足のいく注文住宅建築をしたい方はこちら
▼関連情報▼
>>浜松市で新築なら建築家とつくるおしゃれな平屋の注文住宅