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静岡県西部・中部エリアに住むなら知っておきたい!【防災ガイド】|南海トラフ地震・豪雨・台風に役立つ備えと収納のコツ
突然の地震や台風、豪雨など、いつ起こるかわからない自然災害。
静岡県西部・中部エリア(浜松・磐田・藤枝・焼津など)も、南海トラフ地震の発生リスクが高い地域とされており、日頃からの備えがとても大切です。
仕事や家事、育児に追われ、つい防災対策は後回しになりがちですが、「いざというとき」慌てないための仕組みづくりが家族を守ります。
特に、ライフスタイルの変化や新居への引っ越しは、防災を見直す絶好のタイミングです。
今回は、建築士が考える“防災収納”の基本と、限られたスペースでも実践できる工夫を、静岡県西部や中部で数多くの家づくりを手がけてきた建築家の視点からご紹介します。

いざという時のために、何を備えておく?
まずは「何を備えるべきか?」を整理することが大切です。
静岡県西部(浜松・磐田)や中部(藤枝・焼津)エリアは、
南海トラフ地震の影響を大きく受ける可能性がある地域とされています。
地震発生時には長時間の停電や断水、交通の寸断が想定されます。
水と食料・医薬品・衛生用品・照明・安全対策の5つを軸に考えましょう。
【1】 飲料水と非常食
水の確保を多めに
断水が長引くケースを想定し、家族全員分の飲料水+生活用水を確保。
最低でも1人1日あたり3リットル×3日分を用意。できれば、1週間分の備蓄を目安にするのがおすすめです。
缶詰やレトルトなど、火や水を使わずに食べられるものを中心に準備を。
ガス・電気が止まった時の調理法を確認し、カセットコンロや固形燃料を常備、ガスボンベの残量も定期的にチェックしましょう。
お風呂の残り湯を“非常用水”として再利用できる仕組みも有効です。
【2】 応急医療品
救急箱に加え、持病の薬や処方薬も忘れずに。
避難時にもすぐ持ち出せるよう、ファスナー付きポーチなどにまとめておくのがおすすめです。
【3】衛生用品
断水時も快適に過ごせるよう、ウェットティッシュやマスク、使い捨て手袋などを多めに備えておきましょう。
【4】 照明器具
夜間の停電は想像以上に不安なもの。
懐中電灯やソーラー式ランタンなどを、寝室や玄関近くに配置しておくと安心です。
【5】 安全対策
家の安全点検をしておきましょう。
家具の転倒防止金具や、ガラス飛散防止フィルムの設置も効果的です。
寝室まわりは特に“倒れない・落ちない・ふさがらない”を意識しましょう。

限られたスペースでも上手に備える収納術
収納スペースが限られる住宅でも、少しの工夫でしっかり備えられます。
POINT.1 玄関・寝室など“すぐに持ち出せる場所”に配置
避難の際にすぐ手に取れるよう、玄関の下駄箱下や寝室クローゼットなど、動線上に防災ボックスを設置しましょう。
POINT.2 “見える収納”で備えを習慣化
非常食やライトなどは、パントリーやリビング収納の一角に。
日常使いの延長でチェックしやすく、期限切れを防げます。
POINT.3 ローリングストックで無理なく備える
日常で使う食品や日用品を“少し多めに”買っておき、古いものから使う習慣を。
賞味期限切れを防ぎ、自然に防災意識が高まります。
POINT.4 真空パックで圧縮収納
毛布や着替えなどのかさばるアイテムは、真空パックにして省スペース化。
湿気対策にもなり、長期保存にも適しています。
POINT.5 多機能アイテムを選ぶ
ソーラー充電器や手回しラジオなど、1つで複数の役割を果たすアイテムを選ぶと省スペース&実用的です。
\地域特性を踏まえた“備えの位置”を考えよう!/
浜松市や藤枝市などでは、沿岸部や低地では津波・液状化のリスクも指摘されています。
そのため、防災用品は1階だけでなく、2階にも分散して収納しておくことがポイントです。
また、避難が必要な場合に備えて、車内にも最低限の防災セットを常備しておくと安心です。
一戸建ての場合、
玄関:非常持ち出し袋(避難時用)
2階:水・食料・毛布(在宅避難用)
車:簡易トイレ・モバイルバッテリー・懐中電灯
といったように、“リスク分散型の収納”を意識すると、被災時の行動がスムーズになります。

家族でできる防災アクション
防災収納は、家族全員の意識づくりも大切です。
暮らしの中に“防災を習慣化”する仕組みを取り入れてみましょう。
①避難ルートと避難先の確認
月に一度など、定期的に家族で防災について話し合う機会を持ちましょう。
子どもがいる家庭では、非常持ち出し袋を一緒に点検する時間をつくるのもおすすめです。
避難経路の再確認や、備蓄品の点検を行うことで、いざというときの行動がスムーズになります。
地域によっては、津波避難ビルや高台への避難経路が指定されています。
お子さまと一緒に実際に歩いて確認しておくことで、いざというときも落ち着いて行動できます。
浜松市・磐田市では津波避難ルートを地図で貼る工夫、
藤枝市や焼津市では浸水想定マップを家族で共有するのもオススメです。
②子どもと一緒に楽しむ「防災ゲーム」
防災クイズを出し合ったり、非常時の行動をロールプレイで練習したりすると、子どもも前向きに取り組みやすくなります。
遊び感覚で学べる工夫が効果的です。
③地域の防災訓練に参加
浜松市や藤枝市などでは、防災訓練や避難所体験イベントが定期的に開催されています。
地域の防災ネットワークを知ることで、いざという時の安心感が格段に高まります。
実践的な知識が得られるだけでなく、ご近所とのつながりも深まり、いざというときの助け合いにもつながります。