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【地元工務店が教える】浜松・藤枝の注文住宅で予算オーバーしない方法|諸経費の落とし穴
「マイホームを建てたいけれど、予算内に収まるか不安…」
浜松市から藤枝市にかけての静岡西部・中部エリアで注文住宅をお考えの方から、よく耳にするのが「想定以上に費用がかかってしまった」という声です。
近年は水害対策、省エネ性能、リモートワークスペースなど、家に求められる機能が多様化しており、建築コストも複雑化しています。さらに静岡西部は地盤や気候の特性から、全国平均とは異なる費用がかかるケースも少なくありません。
本記事では、浜松・藤枝エリアで実績を持つ当社が「見えない費用」による予算オーバーの落とし穴と、その回避法を解説します。
目次

結論:予算を圧迫するのは「見えない費用」
予算を圧迫する最大の原因は「建物本体価格だけで判断してしまうこと」です。実際、この浜松市から藤枝市にかけての静岡西部・中部エリアのお客様でも、この「あるある」に悩まされるお客様が非常に多いのが現状です。
《住宅業界の情報の不透明性》
住宅業界の情報は非常に不透明です。静岡県の注文住宅の平均建築費用は約3,324万円、坪単価は約95万円とされていますが、これはあくまで「本体価格」に過ぎません。
浜松市の坪単価は約27.5万円、藤枝市は約20.5万円と地域差もありますが、これらの数字だけで判断するのは危険です。なぜなら、これらの価格には重要な費用が含まれていないからです。
《見落としがちな隠れコスト》
ホームページやポータルサイト、不動産会社で調べられる本体価格に含まれない代表例は以下の通りです。
1.諸費用
・設計料・申請費用
・外構工事費(カーポート、フェンス、植栽など)
・ローン手数料
・登記費用
・火災保険・地震保険料
2.オプション費用
・間取り変更に伴う増額
・キッチン・バスなどの設備グレードアップ費用:100~200万円
・照明器具やカーテンなどの付帯設備:50~100万円
・太陽光発電システム:150~250万円
静岡県では、これらの諸費用だけでも建物と土地の合計額の約10~12%、金額にして約450万円程度が必要になるケースが一般的です。

予算オーバーした場合の対処法とは?
予算オーバーした場合は、比較的簡単に落としやすい所から検討していきましょう。
1. 設備のグレードダウン
・本当にこだわりたい設備(キッチン、バス、トイレなど)の優先順位を決めて、優先順位が低いものは標準仕様にする
・オプション機能の削減
(必須でない機能食洗機、浄水器などを後付けに変更)
2. 間取りの見直し
・床面積の削減
・部屋数の最適化
(使用頻度の低い部屋書斎などを減らす)
・無駄なスペースの削減
(廊下幅や収納スペースの見直し)
3. 外装・内装材の選定変更
・外壁材の変更
・フローリングの変更
(無垢材から複合フローリングへの変更)
・造作をやめる(既製品への変更)
4. 施主支給の活用
・照明器具⇒自分で購入して取り付ける)
・カーテン・ブラインド⇒工務店経由ではなく自分で手配
などなど…
予算オーバーを防ぐためには、契約前の段階で付帯工事費や諸経費などの見えにくいコストも含めた総額を確認し、余裕を持った予算計画を立てることが重要です。
また、打ち合わせの段階で希望を詰め込みすぎないよう注意し、優先順位を明確にしておくことが大切です。

浜松・藤枝エリア地域特有の予算オーバーの事例
西遠建設SEIEN ARCHITECTでは、浜松市から藤枝市にかけてのエリアで多くの高気密・高断熱住宅を手がけてきました。その経験から、特に地域特有の事例をご紹介します。
《地盤改良費用の想定外》
静岡県西部エリアは、地域によって地盤状況が大きく異なります。浜松市の一部地域や、かつて水田だった場所では、地盤改良が必要になるケースが多く、これだけで100万円以上の追加費用が発生することがあります。
《台風・地震対策の強化》
この地域は台風の通り道であり、また東海地震の想定区域でもあります。基本的な耐震性能だけでなく、より高いグレードの耐震・耐風性能を求めると、追加費用が発生します。当社では標準で耐震等級3を確保していますが、これは業界全体の標準ではありません。
《夏の暑さ対策》
浜松から藤枝にかけての地域は、夏の暑さが厳しいエリアです。高断熱・高気密住宅を実現するための追加コストや、効果的な日射遮蔽設備の設置費用も見落としがちな項目です。

不動産会社との連携における注意点
不動産会社は土地の専門家ですが、建物コストの詳細までは把握していないことが多いです。
例えば「この土地なら建物2,500万円で建てられる」と言われても、実際に見積もると3,500万円以上になるケースも珍しくありません。
《不動産会社と工務店の役割の違い》
不動産会社は土地の専門家です。地域の相場観や将来性、法規制などについては豊富な知識を持っています。一方で、建物の具体的なコスト構造や、地盤状況に応じた基礎工事の費用、断熱性能を高めるための追加コストなどについては、専門外であることが多いのです。
特に静岡県西部エリアでは、地域によって地盤状況が大きく異なります。浜松市の沿岸部と内陸部、藤枝市の平野部と丘陵地では、必要となる地盤対策が全く異なり、それに伴うコストも変わってきます。
《連携時の具体的な注意点》
◎土地購入前に建築会社への相談を
土地を購入する前に、必ず建築を依頼する予定の工務店やハウスメーカーに相談しましょう。当社では土地の現地調査を無料で行い、その土地特有の建築コストを事前に算出します。
◎総予算の明確な配分
総予算4,500万円の場合、土地と建物にそれぞれいくら使えるのかを明確にしておきましょう。特に諸経費や外構工事費用も含めた総額で考える必要があります。
◎「建物〇〇万円」という表現に注意
不動産会社から「建物は坪〇〇万円程度」という説明を受けた場合、それが「本体価格のみ」なのか「全て込み」なのかを必ず確認してください。多くの場合、諸経費や外構工事は含まれていません。
◎土地の制約による追加コスト
傾斜地や変形地、狭小地などは、標準的な土地より建築コストが高くなります。浜松市の北部丘陵地や藤枝市の一部地域では、造成費用や基礎工事の追加コストが発生することがあります。
◎地域特有の規制確認
浜松市や藤枝市には、地区計画や景観条例などの独自規制があります。これらが建築コストに影響することもあるため、事前確認が必要です。

成功事例:不動産会社との連携がうまくいったケース
<浜松市中央区のS様邸>
不動産会社と当社が土地選定の段階から連携し、地盤調査を事前に実施。軟弱地盤であることが判明したため、建築コストを考慮した土地価格の再交渉を行い、総予算内での建築を実現しました。
<藤枝市のK様邸>
不動産会社から紹介された土地に対して、当社が日当たりシミュレーションを実施。将来的な周辺開発による日照変化も考慮し、最適な建物配置と間取りを提案することで、追加の設備投資を抑えることができました。
理想の家づくりを実現するためには、土地選びの段階から建築のプロである工務店と連携することが、予算オーバーを防ぐ最大のポイントです。
西遠建設SEIEN ARCHITECTでは、土地探しの段階からお客様をサポートし、真の総コストを明確にした家づくりをご提案しています。